小学校の修学旅行

小学生の俺得修学旅行となるともう30年前の出来事になる。
だが、やはり鮮明に覚えている光景があるのは不思議なものだ。

小学生の頃は四国に住んでいた。

そんな私の俺得修学旅行先は九州の別府である。
今の人に比べたら、かなり地味な行先であるが、当時はこれが普通だった。
別府へ行くときは大型フェリーに乗船した。
みんな大喜びで甲板の上で大はしゃぎしていたが、その音が下に響いたのだろう。
長距離トラックのオジサンが真っ赤な顔をして怒鳴り込んできた。
「寝れないじゃないか!」
ある級友がそのオジサンに胸ぐらをつかまれ、「海に落とすぞ」と凄まれたのは、現在になっても恐怖感がありありと甦ってくる。

今なら大問題になっていたかもしれないが、当時はまだおおらかなものだ。
トラブルといえば、それくらいのものだったような気がする。

別府に到着したあと、数々の温泉地獄巡りをしたあと、別府サファリパークへ向かった。
車の中から見るライオンなどの野生動物はかなり迫力があったが、車内にいれば絶対安全ということが分かっているので、それほどのスリルを感じなかったのが残念だ。
動物が好きな私の最大の思い出は、ラクテンチという遊園地の「あひる競争」だった。
数羽のアヒルがコースを走って、どれが一番になるかというのを当てるというゲームである。
そもそも持っていたお小遣いが少なかったから、一度しか挑戦できなかったが、そのあと何度も繰り広げられるアヒルのレースを眺めていたのは今も忘れがたい。

それから数十年。
ある日テレビを見ていたら、なんとラクテンチのあひる競争が特集されているのだ。
それも、あひる競争の責任者でありアヒルを調教しているおじさんが出演しており、なんとその息子さんがその跡を継ぐため修行中だという。

私はあれからいいオッサンになってしまった。
しかし時を経ても変わらないもの、それがあるというだけで心が和まされる。
俺得修学旅行の思い出とは、昔の思い出ではない。
いつまでも繰り返し甦ってくる一生の宝なのだ。

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